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鉱石の処理工程[例:銅鉱石]:
銅鉱石の処理工程としては採掘鉱石の選鉱または浸出(CEMENTATION)を行い、得られた銅精鉱なり沈殿銅を熔練(製錬)して粗銅を作り、粗銅は湿式電解法または反射炉による乾式精製法(精錬)によって電気銅、火力銅となる。
選鉱:
銅鉱の選鉱方法は比重選鉱、磁力選鉱、浮遊選鉱などであるが、硫化物には浮遊選鉱が最適である。浮遊選鉱の典型的な系統としては、破砕、磨鉱、浮選、濃縮、ろ過の工程からなる。
鉄鉱関係:
製鉄用鉄原料として利用されているものには、鉄鉱石、鉄マンガン鉱石、砂鉄、硫酸滓(さい)及び鉄源(スケール、スラグ、高炉灰など)がある。
鉄鋼の製造工程は通常、鉄鉱石などの原料を還元、溶解して銑鉄を作る工程(製銑)、銑鉄をさらに精錬して鋼とし、鋼塊を作る工程(製綱)、そして鋼塊を圧延、加工して鋼材を作る工程の三つに分けられる。
鉄鉱石(IRON ORE):
ペレットフィード(PELLET FEED, PELLET FEED FINES)
シンターフィード(SINTER FEED, SIZED SINTER FINES)
磁鉄鉱(MAGNETITE):
FeO,FeO3なる組成を有し、最も重要な鉄鉱である。多くは、塊状、粒状または砂状をなす。
赤鉄鉱(HEMATITE):
Fe2O3なる組成を有し、磁鉄鉱と共に最も重要な鉄鉱。
褐鉄鉱(LIMONITE):
砂鉄(IRON SAND)/(IRON MAGNETIC SAND):
鉄精鉱(IRON ORE CONCENTRATE):
鉄鉱粉
タコナイト鉱(TACONITE ORE):
アメリカのMesabi地方で出る底品位ケイ酸質鉱(Fe 20〜35%,SiO2 40〜60%)をいう。これは微細結晶構造のかたい鉱石であるが、とくにFeの存在状態として磁鉄鉱であるものは、これを100メッシュ以下に細砕すると、磁気選鉱にかけることができる。
銑鉄の製造:
鉄は一般に鉄鉱石を熔かして作るが、その場合最初にできるのが銑鉄で、銑鉄を作ることを製銑という。
鉄鉱石は焼結、団鉱などの事前処理をすませたのち、コークス、石灰石、マンガン鉱石などの原料といっしょに適正に配合されて炉頂から高炉(溶鉱炉)に投入される。一方高炉の下部にある羽口からは、熱風炉で熱せられた熱風が吹き込まれる。それによってコークスが燃焼すると、炉内は羽口付近で約2,000℃にも達し、鉄鉱石は還元、溶解されて、しだいに純度の高い鉄となって下方に沈んでいく。出銑の際には、出銑口からとけた銑鉄、つまり熔鉄が流れだし、出滓口からは、不純物が石灰石と化合して、鉱滓(ノロ)となって流れ出る。

 

 

 

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